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わたしたちはスポーツを用いて共生社会の構築に貢献する
障害のあるひとが仲間と出会い社会参加する
障害のないひとが人の多様性に気づき理解を深める

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私たちが考えるリハビリテーション・スポーツとは

実施しているリハビリテーション・スポーツ(以下 リハ・スポーツ)は、全人的な「復権」(“患者”から“生活者”へ主体の回復)というリハビリテーション(以下 リハビリ)が持つ側面を重視し、人間関係を基調に双方向に学び合う場になると考えており、そこから「どちらか一方がしてあげる、してもらう」関係ではなく、スポーツを一緒に楽しむ仲間として存在することで起きる「双方向の気づき」に着目しています。「人」を大切にする気持ちがないと、リハビリ(全人的な「復権」)の手伝い(サポート)はできません。多様な人々が「共に地域で暮らす」には、互いに配慮(個人の尊厳・尊重)、努力、責任が必要になると考えています。

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リハ・スポーツは医療でのリハビリや訓練と生涯に渡りスポーツ・運動を楽しむ(生涯スポーツ)との間に位置する、患者から生活者への橋渡しのための心のきっかけを作るプログラムです。発症や受傷により一度自信を失った人が、安全・安心してスポーツが行え、体力の維持向上とともに、小さな達成感と楽しさをリハ・スポーツで積み重ね、自信の再構築をすることで、社会参加への心のきっかけを作り主体性や人権の回復が行えると考えています。

詳しい経緯

これは、障害者スポーツ文化センター横浜ラポールの運動指導員らが、4半世紀前より試行錯誤し、障害のある人の自立と社会参加を目指した運動プログラムとして行ってきた実績があります。既存の会議室・体育館・プール等、どこでもわずかなスペースがあれば実践が可能ですが、日本一と感じるほどの立派な同施設を見てしまうと、リハ・スポーツはここでしか充分に行えないと感じてしまうと思います。

初めて横浜ラポールを訪れた際、杖歩行や車椅子でも電車を乗り継ぎバスに乗り、朝から数多くの障害のある人がスポーツを行いに来る姿に衝撃を受けます。同行した脳卒中の後遺症のある一緒に当法人を立ち上げた、当法人前理事の三嶋氏の、「世田谷でもこうやってスポーツができたら良いのに」という一言が、既存の施設を利用し、リハ・スポーツを行うきっかけとなり、本格的な取り組みが始まりました。

当法人の活動拠点である、東京都世田谷区は、現在人口が90万人以上を超え、人口の少ない他県に匹敵します。都内には2ヶ所の障害者スポーツセンターがありますが、世田谷からは遠く実際に通うことは困難です。

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リハ・スポーツ教室

当法人が実施しているリハ・スポーツは、毎週1回全10回の教室で、1回90分で構成されます。初回のオリエンテーションに続いて、ボッチャ、卓球、プールでの浮力を活かしたリラクゼーションや水中運動という3種類の運動メニューを各3回ずつ行っていきます。複数の運動種目を体験することにより、色々な体験ができ、自分の得意、不得意を知ることも必要であると考えています。対象者が今まで医療者や介護者にゆだねていた、自分自身の健康管理について健康の自己管理の大切さや、その日の体調などに自らが留意し参加すること等を教室内で学んでいきます。

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自主化へ

このリハ・スポーツ教室はスポーツすることに留まらず、教室終了後もつかず離れずのサポートを数か月行い、自主的サークル活動に発展させてゆき、たとえ生活機能に課題や、困難があっても、対象者が住み慣れた地域の中で生き生きと暮らしていくため、活動拠点を作り続けています。

特に、プールでのプログラムは、ハードルが高いと思われていますが、仲間とプールに入れただけでも大きな心のきっかけとなるため是非取り入れたいと考えています。このリハ・スポ―ツ教室がきっかけとなり、プールでの活動を仲間とともに続けたいと希望する方が多くいます。家族も介助するだけでなく一緒にプールに入って水中歩行を楽しみ、泳ぎの得意な支援者にサポートをお願いするなど、運動指導者だけでなく水中でのサポートをヘルパーなど介助職の人にも見学と実体験を積み重ねる機会を作っています。

また、このリハ・スポーツ教室を通じて、仲間づくりの大切さを感じています。仲間同士の励まし合いや、いつも介助に追われる奥様同士の会話など互いの交流の場面にもなり、スポーツにおける仲間づくりに大切さを感じています。

平成28年に開始したリハ・スポーツは今年で3年経過しました。現在、地域の社会協議会等他機関の協力を得て活動場所の助成を得るとともに「世田谷Y・Yリハスポクラブ」と命名し、16名の参加者が毎週月曜10:00~11:30に集まり、ボッチャや卓球を楽しんでいます。そこに指導者は常駐せず仲間同士が役割分担をし、道具のかたづけなどを協力しながら自主的に行っています。

双方向の理解と変容へ

リハ・スポーツ教室に参加し、見学し一緒に参加した医療者・支援者・介助者・家族等には気づきが生まれます。どちらかが「してあげる」「してもらう」関係が、一緒にスポーツを楽しむ場面を通じ、一瞬でなごやかな雰囲気となり、病院や施設でリハビリを行っていた際には見られなかった笑顔や、自主的は行動を発見し、驚く場面も少なくありません。

手伝う(支援)者は、初めは、障害のある人にどのように接したら良いかなど、戸惑う面が多くあります。何かしてあげなければという過剰な意識です。しかし、毎週一緒にスポーツを楽しむうちに、おのずと双方向に理解が生まれ、障害があっても手を出しすぎず、できることを増やし、困ったことがあれば手伝うという理解が生まれ、どちらが「してあげる・してもらう」関係がなくなり、スポーツを一緒に楽しむ仲間(共生社会の実現)になります。

  • 講師は手を出しすぎないで、できることを増やそうという気持ちで行います。できないことを数えず、できることを増やしてゆきます。
  • 講師と参加者との役割の垣根をなるべく低くし、講師がすべてをお膳立てして指導者になりきることはあえてしない。慣れてくると、いつも誰かの指導の下で何かを行うのでなく、そこに集まる皆が、自分たちで運営しているような雰囲気になってきます。教室に参加した当初は何をしてくれるのかという指導待ち姿勢だった人も変容します。今後は自分たちだけでもできるということを学ぶ教室です。主体性を重んじながら、和気あいあいとした雰囲気づくりを心掛けています。

エビデンスの構築

このような教室型運動プログラムは、とかく参加人数と感想のみが報告となりますが、わたしたちは目の前で起きる一人ひとりの変化を「心が動けば体が動く」と気づき、リハ・スポーツ教室での活動を通し、受講者の同意を得て、QOL尺度評価(SF-8)等数値化測定を実施しており、精神的・心理的変化を数値化し、効果を明らかにしていきたいと考えています。

QOL尺度評価を行い、その後の心理的変化、健康面での生活の質がどのように変わるかを数量値的に表す調査研究を行っています。

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患者から元暮らす地域へ

誰もがわかりやすい『スポーツ』というツールを使って、患者から生活者への心のきっかけづくりの手伝い(支援)をおこなうとともに、支援者・医療者関係者・家族も参加者がスポーツを一緒に楽しむ姿や笑顔を通じ「この人はここまで」という決めつることがなくなり、生活機能に課題のある人への理解と新たな能力や残された機能に気付きます。また、同じスポーツを楽しみ、行うことで、多様な障害のある人同士が今までなかった互いの理解を深め、障害があるから、高齢だからということのない双方向の理解を深める場になるのです。現在厚労省が推進している『地域包括ケアシステム』(地域連携することで生涯にわたり住み慣れた場所で暮らし続ける)は、病院を出た後どの様に地域で暮らすのかというその後の長い年月に係る環境を重要視しています。医療保険・介護保険だけに頼らない新たな第三の選択肢の幅を広げることが、現在から未来へ続く、新たなリハビリテーションの新な姿であると考えています。

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