スポーツに対する考え方

スポーツに対する考え方

「スポーツ」に対する考え方

日本における『スポーツ』の定義

日本唯一のスポーツに関する法律、それは平成23年に施行された「スポーツ基本法」です。この前文に、『スポーツは、世界共通の人類の文化である』とあります。

ここでいう『文化』とは、ハイカルチャー(鑑賞)と捉えるのではなく、人々が自分らしく人間らしく生きるための権利と解釈しています。「文化としてのスポーツ」は、文化権において人権として保障されています。言い換えると、スポーツは、人々の日常にまつわる自立、社会参加を支える人権として保障されているのです。

スポーツ基本法前文に定めている『スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利』(スポーツ権)、つまり、『スポーツはみんなのもの』と謳われています。このことは社会福祉の源泉となる憲法第25条第1項の『すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という条文に、文化権の概念として取り入れられています。

このことからも分かるように、スポーツは競技・余暇活動・体力づくり等身体活動を指しています。従って、散歩やラジオ体操、ジョギング、ウェイトトレーニングのように他者と競わない運動もスポーツの領域になります。

ところが公衆衛生学の専門家の中には、「運動」を「身体を動かすこと全般」であると捉えているのに対して、「スポーツ」とは、「何らかしらの競技を伴うもの」(厚労省の考え方)と、未だに生活習慣病対策の範疇で考えている方もいます。

スポーツ権の観点からすれば、試合会場に足を運んで観戦することや、テレビ観戦、指導者や関係者として選手を支えること、ボランティアとして運営を手伝うことなどもスポーツの範疇に入ることになります。

当法人の捉え方

当法人は、スポーツ基本法前文にある「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利」に則り、次のようにスポーツを捉えています。

  1. 『スポーツを通じて』
    (“こころ”の健康=健康教育の教材)
  2. 『スポーツを一緒に楽しむ文化』
    (当たり前なことが、当たり前にできる=ノーマライゼーション思想)
  3. 『社会の新しい価値の創出』
    (サステイナブルな社会)
  4. 『対等』
    (全ての人が平等に社会活動に参加できる地域コミュニティの形成)

スポーツを実施するにあたって、その人のプラス面を重視し、マイナス面もプラス面に取り込む姿勢(出会った時点がゼロであり、いかにプラスへ方向づけるか)を重要視しています。

人は誰でも等しく尊重される存在であり、それぞれが有する心身の違いが異なっていることを理解し、地域の中で孤立や分断、排除を無くし互いに必要な配慮、調整ができる社会を築いていくことが地域福祉の理想と考えます。

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